ノンフィクション
「サコちゃんパン屋奮戦記」

第3話『やけど』



 『・・・そしたら、始めよか!。(以下ず〜っと直接話法です。)
とりあえず、今日は言われた通りやって、「見よう見まね」と言う感じで。サコちゃんに対して一方通行になるとおもうけど、「パン屋」の1日を言葉を交えて説明していくわ、質問したいこともあると思うけど、頭を空にして目で見たものだけ頭に入れて.....。明日も同じようにやって見せるし、そのとき質問受けるわ、ええか!。
 これが、ドウコン、(ドウ・コンディショナー)ドウは生地、生地の状態を調節する機械でホイロ(発酵室)、リターダー(冷蔵室)、フリーザー(冷凍室)が自動制御されている。
 朝6時位で焼けるように設定してるねん。グライやで6時やし焼くと違うで!天板に(6取り・8取りがある、一般に6取り。オーブンのサイズに関係する)焼く直前のパン(2次発酵後)があるやろ、この大きさが70%、焼けた商品が100%、30% がカマで伸びる(かま伸びの良し悪しは品質に影響大)、ちょっと生地触ってみ!やさしくやで、おっぱいの先触るみたいに.....。焼きで大切なのは生地の状態の見極め(診る)やで。
 ついでに言うとくホイロは温度と湿度があんねん、今は36℃78%やけど生地によって変えるしな、変わるという事だけ覚えといて。その都度言うわ!ほなタマゴ塗るわ(つや出し、商品によって濃度が変わる)タマゴはよく溶いて刷毛の持ち方は取って部分のちょっと下、スナップをきかすように多くもなく少なくもなく平均に塗り、生地に対して優しく塗ったって!よっしゃ、カマにいれよか。上火200度火力5、下火195度火力3タイマー10分。カマってやつは結構癖があってコレの場合(フジサワ、プリンスオーブン4枚3段)この火加減でええ、タイマー10分はあくまでも目安。あっ!そうそうパン屋の中では『もうチョイ』とか『・・ぐらい』と言うエエ加減な言葉が多い。一流ベーカリーには無いと思うけど町屋のパン屋にはアンネンこれが。さァ次を入れる用意しょうか、後ろのカマを意識して段取りするんやで、タイマーをあてにするな、自分の動きをタイマーにするように、前で段取り頭でカマの中をイメージする、あと2〜3分というとこでカマの中の天板を入れ替える、カマムラがあるしな、入れ替えは丁寧にショックは禁物、動きに流れがあるように。ぬりたま(つやだし)の位置、トッピング(パンの上にのっている材料)天板の置き方で仕事のやり易さが変わる。

 もう、ええやろ出そか!2枚重ねの軍手があるし、それで出して!(ミトンタイプの手袋より使い勝手がよい、ミトンタイプは主に食パン用で使ってます)置く場所確認せ〜よ!』(直接話法はココまで!)と言うと同時に『アッッツ!』とサコちゃんの声、出すことに気を取られて軍手は片方だけ、置く場所が無かったので重さに負けてもう一方の手をだしよった.....。

 責任を感じた一日でした。サコちゃんゴメンな.......。

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